診断書の傷病名 | 発達障害 |
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年金の種類 | 障害基礎年金2級 |
年齢・性別 | 40歳代・女性 |
発達障害で障害年金を請求したいが、初診日の証明が入手できないと相談されました。
最初の病院は20代の頃。20年以上経過しているためカルテは廃棄され、受診状況等証明書を発行してもらえません。2番目の病院は廃業していました。子供の頃からの経緯を聞くと小学校1年生から6年生まで支援学級にいたことがわかり、知的障害を初診日で請求する方向としました。
厚生労働省の文書に「知的障害と発達障害はいずれも20歳前に発症するので、知的障害と判断されたが障害年金の受給に至らない程度の者に、後から発達障害が診断され障害等級に該当する場合は、原則として同一病院として扱う」とあります。
今回の場合、軽度な知的障害(3級程度)であることを診断書その他の書類で明らかにしました。軽度な知的障害が認められれば初診日は生まれた日となり、20歳前障害基礎年金の請求で受診状況等証明書を提出しなくても手続きできます。
事後重症請求をして障害基礎年金2級が決定しました。
知的障害 | 発達障害 |
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【原因】 染色体異常や生まれた後の事故などさまざま。先天的要因、妊娠時期要因、後天的要因があり、複雑にかかわっていることもあり原因が不明なケースもある。 |
【原因】 生まれつきの脳機能の生涯と考えられている。それ以外にも、遺伝や出生後の外傷、感染症に起因する考えもある。 |
【症状】 幼少期から青年期である18歳未満に出現し、日常生活を送るうえでの必要な能力が平均以下で、読み書きや数の概念、金銭や行動の管理など知的機能と適応機能が乏しい。 |
【症状】 言葉の発達が遅い、他者とのコミュニケーションが築けない、集団生活が苦手、特定分野の勉学が極端に苦手、こだわりが強い、融通が利かない症状が現れる精神障害の総称です。 |
【年金請求】 初診日は出生日となり、20歳前障害基礎年金の請求となる。 |
【年金請求】 自覚症状があり、初めて診療を受けた日が初診日となり、20歳前障害基礎年金、20歳以降の障害基礎年金、障害厚生年金での請求もあり得る。 |
強迫性障害で通院している方より「ネットで調べると強迫性障害は障害年金の対象外とでてくるが、本当に受給できないのか?」と相談されました。
強迫性障害とは、強い不安や恐怖が過剰に付きまとい日常生活に支障をきたすもので、不安障害と診断されることもあります。
障害年金認定基準によると「神経症にあってはその症状が長期間持続し、一見重症なものであっても原則として認定の対象にならない」と記載されており、強迫性障害や不安障害、適応障害などの神経症は認定対象外です。精神の障害年金申請時に提出する(医師が記入する)診断書には障害の原因となった傷病名およびICD-10コードを記入する欄があり、神経症を示す「F4(F40番台)」は認定対象外の傷病となります。
ただし、ICD-10コードが「F4(F40番台)」の傷病であっても、症状が統合失調症や妄想障害、うつ病等の気分障害の病態を示しているときは対象になります。これは、障害年金申請時に提出する診断書に付記されている「記入上の注意」にも記載されているので、主治医によく確認してから診断書を依頼してください。
ICD-10コードとは 精神の障害年金申請用の診断書には必ず記入しなければなりません。ICDは国際疾病分類と呼ばれ、WHO(世界保健機関)が作成した分類で、疾病、傷害および死因の統計を国際比較するために用いられています。 |
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