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未支給年金

生計を同一とする三親等内の親族が請求することにより受給できる年金です

未支給年金について

1.未支給年金とは?

年金は死亡した月まで受け取ることができますが、支給は後払い(次の最初の偶数月が支払月)のため死亡月分の未払いが発生します。その未払い分の年金を「未支給年金」といい、生計が同一の親族は請求することができます。

通常、年金は受給権発生月の最初の偶数月の15日に支払われ、たとえば、2・3月分は4月15日、5・6月分は6月15日に支給されます。

通常の年金支給日

例)年金受給権者が5月20日に死亡したとき

    4月分と5月分の年金は、本人へ支払うことができないため未支給年金となります。そのため、生計同一の親族が未支給年金を請求することになります。

    なお、年金額は日割りで計算しません。5月20日に亡くなっても4月分と5月分の2か月分が支払われます。請求後、請求者の銀行口座へ振込みされるまで3か月程度かかります。

2.未支給年金を請求できる人の範囲

未支給年金の請求者は、年金受給者の死亡当時に生計が同一であることが必要です。ただし、その範囲は、平成26年4月より三親等内の親族まで拡大されました。

未支給年金を請求できる人(平成26年3月まで)

配偶者(夫・妻)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹

未支給年金を請求できる人(平成26年4月から)

1親等 子の配偶者、配偶者の父母
2親等 孫の配偶者、兄弟姉妹の配偶者、配偶者の兄弟姉妹、配偶者の祖父母
3親等 曾孫、曾祖父母、甥・姪、おじ・おば、
曾孫の配偶者、甥・姪の配偶者、おじ・おばの配偶者、
配偶者の曾祖父母、配偶者の甥・姪、配偶者のおじ・おば
未支給年金の請求者範囲

3.未支給年金を受け取ることができる遺族の順位

  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹
  5. 上記以外の三親等内の親族
順位は上位でも死亡当時生計同一であることが必要です。

たとえば、死亡時に子が音信不通で別居状態であり、孫が同居していた場合、請求者は孫になります。

4.未支給年金に関するQ&A

Q1
未支給年金に相続税や所得税がかかりますか?

A1
50万円を超えていなければ課税対象にはなりません。
なぜなら、未支給年金は相続財産ではなく税法上は一時所得であり、50万円の控除があるからです。ただし、50万円を超えた分は課税対象となり確定申告が必要です。下記に確定申告が必要な場合を記します。
  • 未支給年金が50万円を超える場合
  • 未支給年金以外に一時所得があり、合算すると50万円を上回る所得がある場合
  • 未請求の年金が50万円を超える場合
  • 新たな加入記録が見つかり過去分の差額が50万円を超える場合
Q2
すでに夫が死亡している女性が亡くなりました。女性の死亡当時に同居していたのは配偶者の連れ子です。死亡した女性→夫→前妻→子という繋がりになります。夫の前妻の子は未支給年金を請求できるのでしょうか?

A2
前妻の子は、その他三親等内の親族にあたります。住民票上同じであれば、生計同一が確認できるため請求できます。
未支給年金の請求者が配偶者の連れ子である場合
Q3
未支給年金の受給要件である生計同一とは同居でなければダメですか?

A3
別居の場合「生計同一関係に関する申立書」に経済的援助や音信・訪問について記入して申立てをします。その内容について第三者に証明してもらうことができれば、生計同一が認められ、受給することができます。
死亡した方と生計を同一にする人がいない場合、請求できません。
Q4
A3(Q3の回答)の中にある「第三者」とはどういう人のことですか?

A4
まず、死亡した方からみても請求者からみても三親等内の親族ではない方です。入所していた施設や近所の方などに証明してもらうことが多いようですが、友人、知人で問題ありません。
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